カテゴリー別アーカイブ: 家賃滞納

保証会社から滞納家賃の立て替えがあっても解除できる?

前回は、相続対策としてアパート建設は有効?というテーマでブログを書きました。

その記事はこちら→http://k-legal-office.com/blog/fudousankeiei/582

賃貸借契約時において、賃借人の債務について保証会社が賃借人と保証契約を結んでいるなら、賃借人が家賃を滞納した場合には、保証人が賃貸人に対して賃借人に代わって家賃債務を支払ってくれます。この支払のことを代位弁済といいます。

代位弁済後、保証会社は、賃貸人に支払った保証債務を賃借人に対して請求していきます。

そして、この場合に、賃貸人は賃借人に賃料の不払いがあったとして、賃貸借契約を解除することはできるのでしょうか?

(結論)

判例においては、解除することを認めています。

(解説)

保証会社から賃貸人に対して、家賃債務の代位弁済がなされているので、その代位弁済がされた限度では、賃貸人は賃借人に対しては、滞納家賃というものが存在しないことになります。

そうすると、契約書などで定めている、「賃料等の支払を2か月以上滞納したら賃貸借契約を解除する。」という条項に引っかからなくなるようにも思えます。

しかし、この点について、判例は、賃借人の債務不履行(家賃滞納の事実)について、保証会社による代位弁済の事実を考慮することは相当ではないとしました。

あくまでも、解除事由の発生は、賃借人の賃料不払いの事実のみをもって考えるべきであり、保証会社による代位弁済をもってその解除事由の発生に影響を与えないと判断しました(大阪高裁H25.11.22)。この判断は、上訴されましたが、最高裁でもこの結論は覆りませんでした。

以前からこの点については、滞納家賃がない以上、債務不履行がないとして、解除を認めないとする下級審判例も出ていたので、今後は統一的な取り扱いがなされていくのではないかと考えられます。

ただし、結局は家賃不払いの事実に加え、そのほかの事情を総合的に判断して、全体として信頼関係が破壊されているかどうかで解除事由が発生したかどうかを考えることになるのでしょう。

 

明日は、東京ビッグサイトで全国賃貸住宅新聞社様主催の賃貸住宅フェア2015に参加してきます。

Airbnbなど新しい不動産の運用方法のセミナーなどいろいろ聞いてこようと思います。

次回は、貸家に誰が住んでいるか分からないときは?について書きます。

その記事はこちら→http://k-legal-office.com/blog/karisyobun/599

 

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保証会社との間の契約条項はよく読みましょう。

前回は、借家の立ち退き料の相場についてご説明させていただきました。

その記事はこちら→http://k-legal-office.com/blog/akewatashi/537

賃貸借契約を締結する際、賃借人が親族などの連帯保証人をつけられない場合に、賃借人の委託により家賃債務保証会社に保証人になってもらうことがあります。

契約関係を整理すると、賃貸人と保証会社の関係は保証契約となり、入居者と保証会社の関係は保証委託契約となります。

これらの契約により、保証会社は、賃借人が家賃を滞納した場合、賃借人に代わって賃貸人に滞納家賃を支払い、賃借人に立て替えた家賃分を求償することになります。

そして、保証会社と賃借人の間の保証委託契約書の契約条項について、

「賃借人が家賃を滞納した場合には、賃借人は保証会社が賃貸家屋内に立ち入り、適当な処置をすることができることを事前に承諾する。」

といった内容の条項がある場合には要注意です!

1.賃借家屋への立ち入り及びその使用を排除する内容の事前承諾は有効か?

こういった内容の条項を自力救済条項と言います。

この自力救済条項を根拠に、賃借人が家賃を滞納した場合に、賃借人が外出中に建物内に侵入してドアの鍵を交換したり、建物の内側の扉に「○月○日までに未払賃料を支払わない場合には賃貸借契約を解除する。」旨を記載した書面を貼り付けるといった行為をしてしまうと非常に問題があります。

賃借人も合意の上でそのような内容の契約を締結しているから問題ないのでは?とも言えそうですが、裁判所の判例は、このような手段による権利の実現(建物明け渡し・家賃回収)は、法的手続によったのでは権利の実現が不可能又は著しく困難であると認められる緊急やむを得ない特別の事情がある場合を除くほかは、原則として許されないとしており、そのような自力救済条項を公序良俗に反するので無効としています。

2.自力救済条項による民事上・刑事上の責任

この問題は民事上無効というだけだけでなく、不法行為(プライバシー侵害・器物損壊)による損害賠償といった民事上の責任や、住居侵入・器物損壊という犯罪を構成する可能性もあり、その場合には刑事上の責任も追求されかねません。

実際に、賃貸人、管理会社、保証会社などの自力救済行為をした者に民事上の責任を認めている裁判例もありますので注意が必要です。

次回は賃貸経営におけるマイナンバーについて取り上げたいと思います。

その記事はこちら→http://k-legal-office.com/blog/fudousankeiei/552

 

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賃料相当損害金は賃料の2倍請求できるか?

前回は、合意書・誓約書・念書等を公文書とするメリットについて取り上げさせていただきました。

その記事はこちら→http://k-legal-office.com/blog/yachintainou/410

賃貸借契約終了に基づく建物明け渡し請求訴訟を提起する場合に、契約解除後の借り主の建物の使用について賃料相当損害金をあわせて請求しますが、一般的には、この賃料相当損害金は、賃料と同額の金額を請求することが多いです。

一方、賃貸借契約において、賃料相当損害金について賃料額より高い損害金が定められていることもあります。よく見受けられるのが、「賃料相当損害金は賃料の2倍とする。」という記載です。

このような場合に、入居者から、「そのような定めが消費者契約法9条1号あるいは10条に該当し無効であるため賃料と同額が相当である。」などと主張されることがあります。

そこで、賃貸借契約において賃料相当損害金の金額について、賃料額より高い損害金が定められている場合に賃料相当損害金は賃料の2倍の額を請求してもよいのか?ということについて解説していきます。

(結論)

賃料額の2倍とする賃料相当損害金の定めは、消費者契約法9条1号には該当せず、かつ、合理性のあるものであれば消費者契約法10条にも該当しないため請求することは可能と考えられます。

(解説)

1.消費者契約法9条1項について

建物明け渡し請求訴訟にあわせて請求する賃料相当損害金は「(賃貸借契約終了に基づく)目的物返還債務の履行遅滞に基づく損害賠償請求権」であって、「賃貸借契約の解除に基づく損害賠償請求権」ではありません。

そのため、消費者契約法9条1号に規定する「消費者契約の解除に伴う」損害賠償ではないので、この規定の適用外と考えられます。

2.消費者契約法10条について

この点については、個々の事案ごとに「信義誠実の原則に反して消費者の利益を一方的に害するかどうか」ということについて検討がなされます。その上で、賃料相当損害金を賃料額の2倍の金額とすることについて合理性があると判断されれば無効とはなりません。

裁判例においては、賃料の2倍の賃料相当損害金の定めについては合理性があると認めているものが多いです。

平成20年12月24日に東京地裁で言い渡された判決においても、「賃借人が契約終了と同時に目的物を返還すべき当然の義務を果たさない場合に備えておく必要があるところ、その場合に賃借人が従前の対価等以上の支払をしなければならないという経済的不利益を予定すれば、それは上記義務の履行の誘因となるものであり、しかも賃借人が上記義務を履行すれば不利益は現実化しないのであるから、そのような予定は賃借人の利益を一方的に害するものではなく合理性があるといえる。」として、賃料の倍額の賃料相当損害金の定めについて合理性があることを認めています(東京地裁平成20年12月24日判決)。

 

次回は敷金・礼金・権利金・保証金の意味合いについてご説明させていただきます。

その記事はこちら→http://k-legal-office.com/blog/shikikin-genjyoukaifuku/435

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合意書・誓約書・念書等を公文書とするには

前回は、調停手続による滞納家賃の回収について取り上げさせていただきました。

その記事はこちら→http://k-legal-office.com/blog/yachintainou/405

今回は、滞納家賃についてどのように支払っていくかについて合意ができた場合に、大家さん、入居者、連帯保証人との間で交わす、合意書・誓約書・念書等の書類を公文書とする方法についてご説明させていただきます。

これらの書類を公文書とする方法は次の方法が挙げられます。

1.訴え提起前の和解手続

2.公正証書

(解説)

1.合意書・誓約書・念書等を公文書とするメリット

以前、滞納家賃の支払について、話し合いがまとまったら合意書・誓約書・念書等の書面で残しておくことの必要性について取り上げたことがあります。

合意書・念書・誓約書の必要性の記事→http://k-legal-office.com/blog/yachintainou/278

これらの書類は、訴訟において強い証拠にはなりますが、これらの書類を元に強制執行手続をすることはできません。

そのため、これらの書類を最初から債務名義(強制執行をするために必要な公文書)としておけば、合意内容をまもってもらえなかったときに、訴訟手続を省略して強制執行手続に進むことができます。

2.訴え提起前の和解手続について

この手続は、相手方(入居者)の住所地を管轄する簡易裁判所に、訴え提起前の和解手続の申立書を提出して、裁判官の面前で当事者間の合意を確認し、その合意内容を公文書である和解調書とする手続です。

連帯保証人も交えて、合意ができるようなときは、入居者の住所のみならず、連帯保証人の住所を管轄する簡易裁判所に申し立てをすることができます。

申し立てをした後は、和解期日が指定されるのでその日に当事者全員が出席する必要があります。

この手続のメリットは、とにかく費用が安いことです。申立手数料2000円と数千円程度の郵便切手と不動産登記事項証明書程度の実費で手続ができます。

将来的に強制執行手続を踏むことができるような内容にしておく必要がありますので、申し立て前に一度専門家に相談した方がよいでしょう。

3.公正証書

この手続は、合意書・誓約書・念書等の原案が作成できたら、公証人に連絡をとり内容を詰め、当事者全員が公証役場に赴き、本人確認手続の上で、その合意書の内容を元に公証人に作成していただく手続です。

費用もさほど高くないことや、裁判所に行かずに行える手続なので利用しやすい手続かと思われます。

費用について→http://www.koshonin.gr.jp/hi.html

ただし、公正証書により合意書・誓約書・念書等を債務名義とする場合には、

・金銭の支払いに関しては、公正証書の中に「もし債務を履行しなかったときは強制執行を受けても異議のないことを承諾する」などという執行受諾文言の記載が必要である

・建物明け渡しについては、公正証書では強制執行を行うことができない

ため、ご注意ください。公正証書とする場合においても、一度事前に専門家に相談してからにすると良いでしょう。

次回は、賃料相当損害金は賃料の2倍の額を請求できるか?ということについて取り上げていきたいと思います。

その記事はこちら→ http://k-legal-office.com/blog/yachintainou/427

 

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調停手続による滞納家賃の回収

前回は、支払督促による滞納家賃の回収について取り上げさせていただきました。

その記事はこちら→http://k-legal-office.com/blog/yachintainou/398

今回は、調停手続による滞納家賃の回収についてご説明させていただきます。

1.調停手続とは

調停手続とは、裁判所において行う、公的機関(調停委員)の斡旋により、民事上の紛争を話し合いで解決する手続です。

民事上のトラブルが起きたとき、まず当事者間で話し合って解決を試みるかと思いますが、どうしてもまとまらずお互いの主張が平行線のままで終わってしまうことがあるかと思います。

このように、相手方が話し合いに応じてくれるような場合には、調停手続を行い、当事者間の間に裁判所が選任した調停委員を挟んで話し合いをすることが適しています。

また、以前、賃料増額調停の記事でお話ししたことがありましたが、訴訟を行う前に必ず調停手続を踏まなければならない事件もあります。

賃料増額の記事→http://k-legal-office.com/blog/tinryouzougaku/162

2.調停手続のメリット

① 訴訟のように手続が厳格ではない。

訴訟を行うとなると、提出する訴状には法律の要件を満たした事項を記載しなければなりませんが、調停手続の場合は、そのような要件が緩やかにされており、申立書には紛争の要点を記載すれば足ります。

② 話し合いでの解決に適している。

訴訟は話し合いで解決しないことが見込まれる場合に採られる選択肢なので、話し合いで解決できる見込みがある場合には調停が適しています。

あくまでも、話し合いで解決を図ることを目的としているので、調停申立書に記載された内容以外の当事者間の問題についても話し合いを持つことができます。例えば、滞納家賃請求の調停の中で、将来、再び家賃を滞納した場合には立ち退くことを約束するといった内容の合意をすることも可能です。

話し合いの結果、合意ができた場合には、調停調書が作成され債務名義(強制執行をするために必要な公文書)となります。

③ 手続費用が安いこと

手数料等が訴訟の場合の約半額程度になります。

④ 時効の中断

訴訟と同様に、申し立てをした時点で時効が中断します。

3.注意点

以上のとおり説明した、調停手続ですが、注意しておかなければならない点がありますのでご説明します。

① 調停手続は申し立て等の要件は緩やかで手続も柔軟ですが、話し合いの手続であるので、相手方が調停期日に出席しない場合には、話し合いができず調停手続では解決できません。

② 調停の管轄は、相手方住所地を基準に考えますので、賃貸人の住所が賃貸物件の所在地遠方にある場合は、調停期日に出席する費用がかかってしまいます。

 

次回は、合意書・誓約書・念書等を公文書とする方法について取り上げたいと思います。

その記事はこちら→http://k-legal-office.com/blog/yachintainou/410

 

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支払督促による滞納家賃の回収

前回は承諾のある転貸借契約における転借人に対する建物明け渡し請求について取り上げました。

その記事はこちら→http://k-legal-office.com/blog/akewatashi/382

これまで家賃滞納があった場合の回収方法については、基本的に訴訟を起こした場合を例にして取り上げてきましたが、今回は支払督促手続による回収方法について取り上げたいと思います。

1.支払督促とは

支払督促とは、金銭等請求について、債権者に簡易迅速に債務名義を取得する手続です。

債務名義とは、強制執行をするために必要な公文書です。

2.支払督促のメリット

① 書面審査であること

訴訟手続とは異なり、書面審査だけなので裁判所に足を運ぶ必要がありません。そして、最初の審査の段階では、相手の言い分を聞かず発せられます。

② 簡易迅速に債務名義が作成されること

申立書に不備がなければ、迅速に督促が発せられ、債務者に送達されます。

送達されてから2週間以内に異議がなくその期間経過後30日以内に、仮執行宣言申し立てをします。

仮執行宣言付き支払督促が発せられ、債務者に送達されて更に2週間が経過すれば、確定した債務名義とすることができます。

申し立てから最短で1か月ちょっとで債務名義を作成することができます。

③ 手続費用が安いこと

手数料等が訴訟の場合の半額になります。

④ 時効の中断

訴訟と同様に、申し立てをした時点で時効が中断します。

3.注意点

以上のとおり説明した、支払督促手続ですが、注意しておかなければならない点がありますのでご説明します。

① 支払督促手続は金銭の支払いを目的とした手続であるので、滞納家賃請求はできても建物明け渡し請求はできません

② 支払督促手続は、債務者の言い分を聞かず発せられる手続であるので、支払督促正本が送達されると、同封されている異議申立書の提出により、支払督促手続は訴訟手続に切り替わってしまいます

その場合、訴訟分の手数料が必要になってしまいますので、支払督促申し立て当時に納めた手数料分を控除した残額について追納する必要があります。また、その追納があって約1か月後に訴訟の期日が決まるので、場合によっては、はじめから訴訟手続をしていた方が早く終わっていたというケースも少なくありません。

異議が出て、訴訟に切り替わったときには、和解の場で滞納家賃の事のみならず、建物明け渡しについての話し合いも可能です

 

次回は、調停手続による滞納家賃の回収について取り上げさせていただきます。

その記事はこちら→http://k-legal-office.com/blog/yachintainou/405

 

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連帯保証人である元妻に滞納賃料を請求できる?

前回は、契約後に賃料を増額することができる?ということについてご説明させていただきました。

その記事はこちら→http://k-legal-office.com/blog/tinryouzougaku/162

今回は、賃貸借契約の借り主が夫で、妻がその連帯保証人である場合に、その後その夫婦が離婚したことをもって連帯保証人に対し借り主の滞納賃料を請求することができるか?についてご説明させていただきます。

結論としては、入居者が離婚して、連帯保証人である妻が別居することになったとしても、その連帯保証人に入居者の滞納賃料を請求することができます。

(解説)

1.連帯保証契約の拘束力

連帯保証人は、大家さんと連帯保証人の間で保証契約を締結したものなので、契約者と連帯保証人が離婚したとしても、連帯保証人の地位はそのままです。つまり、借り主と連帯保証人の関係が契約当時と変わったとしても、そのことをもって保証契約には影響を与えません。

そのため、連帯保証人である元妻に滞納賃料を請求することができます。

これは滞納賃料債務に限らず、一般の法律関係全般に言えることで、例えば、お金の貸し借りの契約(消費貸借契約)であっても、借り主が借金を返済することができなくなった場合に、離婚した元妻が連帯保証人であれば、元妻に請求することができます。

2.借り主が破産して免責を受けた場合に、元妻の連帯保証人に対して滞納賃料を請求することができるか?

この場合であっても、連帯保証人は連帯債務を免れることはできません。

破産手続(免責)により、借り主は滞納家賃を支払う責任は免れているだけで、滞納家賃債務自体は残っていますので、連帯保証人に滞納賃料債務を請求することは可能です。

3.元妻に請求する際に気をつけるポイント

離婚していることから、連帯保証人である元妻は元夫の債務を負担することに抵抗するかと思います。そのため、どうしようもなく入居者の滞納状況を受け入れているだけだと滞納賃料がかさみ、かえって連帯保証人に損失を与えかねません。

そのため、入居者との賃貸借契約を家賃滞納を理由に解除して賃貸借契約を終了させ、その連帯保証人に対する負担が重くならないように注意する必要があります。

以前、取り上げたこともあるのですが、連帯保証人に資力がある場合に、あえて入居者に建物明け渡し請求をせず、滞納賃料及び賃料相当損害金を増やして連帯保証人から回収しようとすると、信義誠実の原則に反して許されない場合がありますので、早急な手続を進める方がよいかと思います。

参考→http://k-legal-office.com/blog/yachintainou/228

次回は、マンション管理費の滞納が始まったらについて取り上げさせていただきます。

その記事はこちら→http://k-legal-office.com/blog/mansyonkanrihi/335

 

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滞納家賃は契約者の配偶者に請求できるのか?

前回は、借り主が行方不明になった場合の対応方法について取り上げさせていただきました。

その記事はこちら→http://k-legal-office.com/blog/akewatashi/310

今回は、滞納家賃を契約者(入居者)の配偶者に請求できるのか?ということについてご説明させていただきます。

(事例)

入居者が、家族(妻及び子)と住むためにアパートの一室を賃借しました。入居者はごく普通の会社員であり、連帯保証人は入居者の父親です。

入居者は入居後3年を過ぎた頃から体調を崩して入院し、4か月前から家賃を滞納するようになりました。連帯保証人である入居者の父親も年金生活で滞納家賃をまとめて払えるような資力はほとんどありません。

一方、入居者の妻は仕事をしており収入がある状況です。

入居者の妻に対して、「入居者に滞納家賃を払ってほしいと伝えてほしい。」と伝えても、「私は契約者では無いのでよく分らない。夫には滞納家賃を払うよう催促があったことを伝えるけど、入院中なので今は払えないと思いますよ。退院したらこちらから連絡するように話しておきます。」と回答されてしまいました。

(結論)

家賃債務が、その夫婦の日常家事債務の範囲内に属する債務ということができれば、その債務は連帯債務となり、連帯保証人ではない契約者(入居者)の配偶者にも請求することができる可能性があります。

(解説)

1.夫婦の日常家事債務が連帯債務になるとは?

夫婦の一方が日常の家事に関して第三者と法律行為をしたときは、他の一方は、これによって生じた債務について、連帯してその責任を負います(民法761条)。

これは、日常の家事取引は、実質的には夫婦共同生活体のためにされると考えられるのが通常であり、第三者である債権者を保護するために設けられた規定です。

2.どのような行為が、日常の家事に関する法律行為といえるのか?

日常の家事に関する法律行為とは、一般的には、夫婦が共同生活を営む上において通常必要とされる行為を指しますが、具体的には、夫婦の社会的地位・職業・資産・収入などの夫婦間の内部的事情によって異なるので、その夫婦ごとによって個別的に決められます。

さらに、そのような内部的事情のほかにも、客観的な行為の種類や性質も考慮する必要があります。例えば、多額の借金をしたり、不動産を売買することなどは一般的には日常の家事に関する法律行為ということはできないとされています。

本件事例の場合は、賃貸借契約という法律行為をしたのは入居者ではありますが、家族が同居するために賃借していることや、一般的な経済状態である夫婦であることから、賃料債務が日常家事債務の範囲内に属すると認められる可能性がありますので、認められる場合には入居者の妻にも連帯債務として請求することができます。

 

次回は近隣に騒音などで迷惑をかける入居者への対応についてご説明させていただきます。

その記事はこちら→http://k-legal-office.com/blog/akewatashi/320

 

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生活保護者の家賃滞納

前回は、家賃滞納者の念書・誓約書の必要性について取り上げさせていただきました。

その記事はこちら→http://k-legal-office.com/blog/yachintainou/278

今回は、生活保護を利用している入居者が家賃を滞納した場合の対応について取り上げます。

特に大家さんが気にされているのが、生活保護利用者が家賃を滞納し、回収することができない場合に賃貸借契約を解除して建物明け渡し手続をすることができるのかということですが、この場合にも一般の入居者の場合と同様に建物明け渡し手続きを進めることは可能です。

ただし、入居者が生活保護者である場合には特別な制度があり、その制度を入居者に利用してもらうことでトラブル回避やスムーズな建物明け渡しにつながることもありますので、そのことについてご説明します。

1.家賃滞納を防ぐために

生活保護利用者である方は、病気や障害を抱えているため金銭管理を十分に行うことができない方も多いです。そのような場合には、生活保護費を支給する機関が生活保護利用者を代理して、大家さんに対し、月々の賃料を納付する代理納付の制度がありますので、その制度の利用を入居者に促して家賃滞納を未然に防いでいただくことをご検討していただくとよいでしょう。

2.強制執行手続に進む前に

生活保護者は、家賃滞納で入居者から明け渡しを求められ転居をする必要性が生じた場合、転居先の敷金等や引っ越し費用の支給を受けることができる場合があります

生活保護者の次の転居先が整っていない段階で強制執行手続で建物明け渡しを断行するとなると、入居者の身体・生命を脅かす可能性がありますので、強制執行の申し立てをする前に、入居者にその転居費用にかかる金銭の支給申請をすることを促して、入居者の転居先が定まってから、任意で退去していただいた方が建物明け渡しをスムーズに行うことができるかと考えられます。

 

次回は、更新料を請求するには?について取り上げたいと思います。

その記事はこちら→http://k-legal-office.com/blog/koushinryo/293

 

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家賃滞納者の合意書・念書・誓約書の必要性

前回は、借り主が破産した場合、賃貸借契約の解除ができるのか?滞納家賃、賃料相当損害金、敷金はどうなるのか?について取り上げさせていただきました。

その記事はこちら→http://k-legal-office.com/blog/akewatashi/271

今回は、借り主の家賃滞納期間が経過している場合に、事を荒立てたくないと法的手続に進むことを躊躇している大家さんにせめてしておいていただきたい最低限のことについてお話しさせていただけたらと思います。

家賃滞納が発生したら、どのように対応するかについては、以前、連帯保証人に対する請求の時にブログで取り上げさせていただきました。

参考→http://k-legal-office.com/blog/yachintainou/157

口頭で催促したりすることはあっても、借り主から懇願されたりすると、内容証明郵便を送付するなどといった法的手段に進むことを躊躇することがあるかと思います。それにちゃんと今後払ってくれそうなら、解除して明け渡しを進め空室にするより、賃料収入を確保できる方がよいと考える方もいらっしゃいます。

そういう場合であっても、無期限で待ってあげたりすることは、大家さんにとっても借り主にとってもよくないので、ちゃんと話し合って、滞納賃料をどのような期間でどのように支払っていくか、それでも払わないときはどうするかを決めて、念書や誓約書などの書面の形で残してください。

文面の例としては、

「私は、貴殿から賃借している△県◇市○番地所在の建物(アパート名 ○○)の○○号室の平成○○年○○月から平成○○年○○月の間の滞納賃料○○円を、平成○○年○○月から平成○○年○○月まで毎月○日限り○○円ずつ分割して支払います。この支払を怠ったときは何らの催告を要せず賃貸借契約を解除することに異議はありません。解除された場合には、建物を明け渡します。」

という形が一般的に多く使われています。

こういう形を取っておくことで、過去の滞納賃料の存在を認めることになり、滞納賃料の時効期間の進行を止める効果があり、最終的に法的手段に進む場合も強い証拠になります。

なお、合意書・念書・誓約書を公文書とする方法については下記リンクをクリックして参照してみてください。

公文書とする方法→http://k-legal-office.com/blog/yachintainou/410

 

次回は、生活保護者の家賃滞納について取り上げて行きます。

その記事はこちら→http://k-legal-office.com/blog/akewatashi/282

 

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