敷金・礼金・権利金・保証金の意味合いについて

前回は、賃料相当損害金は賃料の2倍請求できるか?ということについてご説明させていただきました。

その記事はこちら→https://k-legal-office.com/blog/yachintainou/427

賃貸借契約を締結する際には、敷金、礼金などといった様々な名目の金銭が賃借人から賃貸人に交付されることが多いと思います。

今回は、このような名目の金銭がそれぞれどのような意味合いを持っているものかについてご説明します。

1.敷金について

敷金とは、不動産の賃貸借契約に付随して、賃貸人の賃借人に対する賃貸借契約に関する一切の債権(未払賃料、原状回復費用)を担保するために交付される金銭です。

したがって、賃貸借契約期間中の未払賃料や賃貸借契約終了後の賃料相当損害金があれば、それらに当然に充当されます。

そして、敷金は賃貸借契約が終了し、賃借人が不動産を明け渡したときに、充当後の残額の敷金について返還義務が生じます

敷金の滞納家賃等への充当に関してはこちらから

2.礼金について

礼金とは、賃貸借契約の成立の対価としての性質を有し、契約成立後、その返還を請求できないものをいいます。

3.権利金について

権利金とは、その性質は一定ではありませんが、

① 地理的に有利な不動産を借りられることに対する利益に対する対価

② 賃料の一部の一括前払い

③ 賃借権設定の対価

という意味で用いられています。③の意味においては、上記2の礼金と意味合いを同じくすると考えられます。

権利金は、敷金と同様に返還を要請求できないものといわれています。

4.保証金について

保証金は、一般的には、上記1の敷金と同様の性質(賃貸人の賃借人に対する一切の債権(未払賃料、原状回復費用)を担保するために交付される金銭)を有すると考えられています。

ただし、敷金とは別に保証金として交付していたり、保証金の額が高額な場合には、「賃貸人への建設協力金」などの意味合いで、不動産賃貸借に伴う貸金契約と判断される場合もあります。

 

次回は、敷引き特約の有効性について取り上げたいと思います。

その記事はこちら→ https://k-legal-office.com/blog/shikikin-genjyoukaifuku/444

いつもありがとうございます。