賃貸借契約を締結するときには、あわせて、連帯保証契約を締結することが通常です。
連帯保証契約は賃貸借契約に付随する契約ですから、賃貸借契約期間中は連帯保証人が責任を負うことは当然ですが、その賃貸借契約期間が終わり、賃貸借契約を更新した場合はどうなるでしょうか。
中には、契約更新後に賃借人が賃料の滞納を起こし、連帯保証人に請求すると、「当初の賃貸借契約期間が過ぎているから責任を負わない」と拒否される場合もあります。
この記事では、
賃貸借契約更新後の連帯保証人の責任はどうなるかについて、合意更新の場合と、法定更新の場合に分けて取り上げていきたいと思います。
1 合意更新の場合
(1)保証契約について合意更新する場合
賃貸借契約の合意更新の際に、改めて連帯保証人の意思確認をして、保証書などの書面を差し入れさせたり、連帯保証人の署名押印のある更新契約書を交わす場合には、保証契約を合意更新したことになりますので、賃貸人と連帯保証人との関係は維持されます。
(2)合意更新の際に連帯保証人の意思確認をしない場合
賃貸人と賃借人の間で賃貸借契約の合意更新をする場合に、連帯保証人の意思確認をしなかった場合はどうでしょうか。
連帯保証人からすれば、
- もう当初の契約期間は過ぎているから私の連帯保証人の責任は外れた
- 何の連絡も来ないから、私以外の人が連帯保証人に就いたのだろう
と考えるかもしれません。
しかし、判例(最判平成9年11月13日)においては、
として、合意更新後の滞納家賃について連帯保証人に支払義務があることを認めています。
そのため、連帯保証人は合意更新後も責任を負い続けることになります。
最初に連帯保証人に就任すると、連帯保証人を外れる旨の合意などの特段の事情がなければ、合意更新後も責任を負うことを了承したと評価されるのです。
2 法定更新の場合
賃貸人と賃借人の間で賃貸借契約の合意更新がされず、当初の契約期間が過ぎても、賃借人が賃借物を占有している(貸家を利用し続けている)場合は、契約期間は定めのないものとなりそれ以外の契約内容はそのままの状態で契約が更新されます。
これを法定更新といいます。
賃借人との間でも賃貸借契約の更新についての合意がされていないので、連帯保証人の意思確認もできていない状態です。
このような場合に法定更新後にも連帯保証人は責任を負うのでしょうか。
この点、判例(大判昭和8年4月6日)は、
と判断しています。
以上のことから、原則として、
連帯保証人は賃貸借契約が法定更新されても、更新後の滞納家賃についても支払義務を負います。
もっとも、賃借人が家賃を滞納している状態で契約を更新し、そのことを連帯保証人に伝えていなかったような場合は、意図的に連帯保証人に対する責任を拡大させていることになり、信義則に反して請求が許されないとされる場合もあるようです。
連帯保証人への具体的な請求方法はこちら→連帯保証人に接触するタイミングはいつ?請求方法と応じないときの対応【司法書士解説】 – 大家さんの味方ブログ
(Q&A)
Q:民法改正前(令和2年4月1日前)に締結した賃貸借契約が令和2年4月1日以降に合意更新された場合、連帯保証人の責任の範囲(極度額の問題)は変更されますか。
A:賃貸借契約の合意更新だけなら、連帯保証人の責任の範囲に変更はありません。旧法適用のまま、極度額も設定されません。
法定更新の場合も同様です。
ただし、賃貸借契約の更新時に連帯保証人と改めて保証の合意をすれば、それは新たな保証契約として新法が適用され、極度額の定めがなければ無効になります。
まとめ
連帯保証人の責任は、賃貸借契約の合意更新・法定更新の相違にかかわらず、特別な事情(「更新後の責任は負わない。」などの取り決めがある。)がない限り、更新後においても及びます。















