生活保護者の家賃滞納

前回は、家賃滞納者の念書・誓約書の必要性について取り上げさせていただきました。

その記事はこちら→https://k-legal-office.com/blog/yachintainou/278

今回は、生活保護を利用している入居者が家賃を滞納した場合の対応について取り上げます。

特に大家さんが気にされているのが、生活保護利用者が家賃を滞納し、回収することができない場合に賃貸借契約を解除して建物明け渡し手続をすることができるのかということですが、この場合にも一般の入居者の場合と同様に建物明け渡し手続きを進めることは可能です。

ただし、入居者が生活保護者である場合には特別な制度があり、その制度を入居者に利用してもらうことでトラブル回避やスムーズな建物明け渡しにつながることもありますので、そのことについてご説明します。

1.家賃滞納を防ぐために

生活保護利用者である方は、病気や障害を抱えているため金銭管理を十分に行うことができない方も多いです。そのような場合には、生活保護費を支給する機関が生活保護利用者を代理して、大家さんに対し、月々の賃料を納付する代理納付の制度がありますので、その制度の利用を入居者に促して家賃滞納を未然に防いでいただくことをご検討していただくとよいでしょう。

2.強制執行手続に進む前に

生活保護者は、家賃滞納で入居者から明け渡しを求められ転居をする必要性が生じた場合、転居先の敷金等や引っ越し費用の支給を受けることができる場合があります

生活保護者の次の転居先が整っていない段階で強制執行手続で建物明け渡しを断行するとなると、入居者の身体・生命を脅かす可能性がありますので、強制執行の申し立てをする前に、入居者にその転居費用にかかる金銭の支給申請をすることを促して、入居者の転居先が定まってから、任意で退去していただいた方が建物明け渡しをスムーズに行うことができるかと考えられます。

 

次回は、更新料を請求するには?について取り上げたいと思います。

その記事はこちら→https://k-legal-office.com/blog/koushinryo/293

 

いつもありがとうございます。