カテゴリー別アーカイブ: 仮処分

供託金の払い戻しに行ってきました。

前回は暴力団関係者との賃貸借契約を避けるために必要なことというテーマでブログを書きました。

その記事はこちら→http://k-legal-office.com/blog/akewatashi/622

先日、仮処分命令のために供託した供託金の払い戻し手続のために東京法務局に行ってきました。

以前は、代理人名義の口座に振り込む方法では払い戻しを受けられなかったので、本人名義の口座に振り込んでもらうか、小切手で受け取っていました。

本人名義の口座に振り込む方法はともかく、小切手で受け取る方法を選ぶと40分から50分くらい待たされますし、日本銀行の代理店窓口で呈示して返金を受けようとすると手数料もかかってしまいますので、使い勝手が良くありませんでした。

それで、今回も本人名義の口座に振り込む方法をとろうと考えていたのですが、調べてみると供託規則が改正されていて平成26年6月2日から代理人名義で供託金の払い渡しを受けられることになっていました!

ただ、本人の意思確認のために、代理人名義で供託金の払い渡しを受ける場合には、払い渡しの委任状に印鑑証明書の添付が必要となっていました

もっとも、私は供託をした際に代理確認請求をしていて、供託時に呈示した供託委任状に供託官から代理権限証明の確認済みの印判をもらっていましたので、払い渡し時にはその確認済みの印判のある供託委任状を添付して印鑑証明書も添付しませんでした。

そもそもこれまでは、依頼者が法務局に印鑑を届けていない個人の場合は、供託金の払い渡しの際に裁判所が発行してくれた供託原因消滅証明書を呈示すれば印鑑証明書を添付しなくても良かったので、供託時に代理権限証明の確認済みをするメリットがあまりなかったのですが、今後はご依頼をいただいた時点で供託時の供託委任状と払渡時の払渡委任状にそれぞれ同じ印鑑で押捺してもらって、供託時に供託委任状に代理権限証明の確認請求する実益が出てきそうですね。

 

次回は、解約の申し入れを理由とした建物明け渡し請求が認められた件についてブログを書きます。参考にしてみて下さい。

その記事はこちら→http://k-legal-office.com/blog/akewatashi/635

いつもありがとうございます。

この記事を読んで「自分のケースならどうなるか知りたい」という方は、相談予約フォームからお問い合わせください。

直ちに明け渡しを求めたいときは

前回は、貸家に誰が住んでいるか分からないときは?というテーマでブログを書きました。

その記事はこちら→http://k-legal-office.com/blog/karisyobun/599

今回は、建物の入居者が暴力団事務所として利用していることが発覚するなど、直ちに明け渡しを求めたい場合はどうすべきかについて取り上げたいと思います。

一般的に、建物明け渡し訴訟は、着手してから、交渉→訴訟→強制執行という手順で進めるのですが、裁判所の期日の混み具合や、訴状等の送達がスムーズにできるかどうかなどによっても変わるので、どんなに早くても着手から半年くらいはかかってしまうのが一般的です。

しかし、その手続が終わるのを待っていては将来の明け渡しに困難を来す場合もあります。

そのような場合に一刻も早く明け渡しを求めるために用いられる手続として、

建物明渡断行仮処分の申立

が挙げられます。

1.建物明渡断行仮処分とは?

訴訟手続を始める前に、建物明渡断行仮処分の申立をして、現実に債務者(賃借人)から賃貸している建物の明け渡しを受ける手続です。

この場合、建物明渡断行仮処分決定の主文例としては、

「債務者は、債権者に対し、本決定送達の日から○日以内に、別紙物件目録記載の建物を仮に明け渡せ。」

といったものになります。

2.仮処分が発せられるための要件

法律上、争いがある権利関係について債権者に著しい損害又は急迫の危険を避けるためこれを必要とするときに発することができるとされています。

建物明渡断行仮処分の手続において、申立が認められた場合には、賃借人(債務者)は現実に賃貸建物の明け渡しをしなければならないことから、認められた場合の賃借人(債務者)に与える影響が大きいので決定の前に審尋期日(裁判所が賃借人(債務者)を呼び出して、意見を聞く期日)が開かれることが原則となり、決定のための担保(供託金等)も高額になります。

3.類似する手続

一般的に、占有移転禁止の仮処分は賃借人(債務者)に使用を許す内容の決定を求めることが多いですが、賃借人(債務者)によっては、債務者への使用を許さず、債権者(賃貸人)に使用を許す内容の決定を求めることもあります(債権者使用型の占有移転禁止の仮処分)

この手続も、建物明渡断行仮処分と同様に賃借人(債務者)は賃貸建物を現実に明け渡す事になりますので、認められた場合に賃借人(債務者)に与える影響が大きくなるため、同様に審尋期日を開くことが多く、決定のための担保(供託金等)も高額になります。

 

次回は、入居中の外国人が帰国してしまったらというテーマでブログを書きます。

その記事はこちら→http://k-legal-office.com/blog/akewatashi/615

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貸家に誰が住んでいるか分からないときは?

前回は、保証会社からの滞納家賃の立て替えがあっても解除できる?というテーマでブログを書きました。

その記事はこちら→http://k-legal-office.com/blog/yachintainou/590

今回は、賃貸している建物に、賃借人(契約者)あるいはその家族ではない知らない者が入居しているような場合にどのように対応したらよいかについて取り上げてみたいと思います。

1.賃借人以外の者が使用していることを知るきっかけ

賃貸人が賃貸している建物や部屋に、賃借人以外の者が使用しているということを知るきっかけとしては、

・近隣の住民から、賃借人以外の者が居住して夜中に騒いでいるから何とかしてほしいと苦情を受けた

・部屋やポストの表札が賃借人とは別人の氏名になっている

・会社として使用している

などといったことが挙げられます。

2.賃借人以外の者が使用していることについての問題点

賃借人以外の者が使用している場面としては、

無断転貸

一方的な不法占有

が挙げられます。

一般的に賃貸借契約では又貸し(転貸借)は禁止されており、賃借人以外の者が入居あるいは使用することについて、賃貸人が承諾していない限り、そのような者が入居あるいは使用することはできません。

これは、賃貸借契約というものが、賃貸人が、その賃借人の属人的要素(職業、年齢等)を加味して契約するものであり、両者の信頼関係の上で成り立っているものであるからです。

無断転貸は、信頼関係を破壊する事情としては大きく、賃貸借契約を解除する事由の一つとなっています。

参考→http://k-legal-office.com/blog/akewatashi/146

また、無断転貸ではなく、一方的に勝手に他人の不動産を占有すること(不法占有)についても同様に許されません。

無断転貸であっても、一方的な不法占有であっても、賃貸人側からすれば、どういう者か分からない者が入居していることは管理が行き届かないことになってしまい、不動産自体の破損、近隣住民へ迷惑などといった問題が生じてしまうことが多いです。

3.賃借人以外の者の占有を排除するには

賃借人以外の者の占有を排除するには、その占有者に対して建物明け渡し請求を行っていくことになるのですが、そもそもその者がどういう人でどういう名前なのかも分からないような場合は、建物明け渡し請求の前に、債務者(占有者)を特定しない占有移転禁止の仮処分の申立をしておいたほうがよいでしょう。

この申立をする場合は、債務者(占有者)を特定することが困難とする特別の事情が必要になります。

この仮処分の執行手続により、実際に占有している者を特定し、その上で建物明け渡し請求をすることになりますが、その執行手続で特定できない場合は執行不能となってしまいますので注意が必要になります。

 

次回は、「直ちに明け渡しを求めたいときは」について取り上げます。

その記事はこちら→http://k-legal-office.com/blog/karisyobun/606

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賃貸物件の現況調査について

前回は、一時使用のための賃貸借契約について取り上げさせていただきました。

その記事はこちら→http://k-legal-office.com/blog/akewatashi/489

今回は、建物明け渡し請求を行う際の賃貸物件の現況調査について取り上げたいと思います。

家賃滞納など様々な理由から建物明け渡し請求を行うかどうか検討する場合に、まず賃借人に内容証明郵便で催告書を送り、未払賃料を催告して賃貸借契約を解除することが多いと思いますが、それと同じくらいに重要なことが賃貸物件の現況調査になります。

1.賃貸物件の現況調査とは

賃貸物件の現況調査とは、現地に行って建物の利用状態を調査・確認することです。

2.現況調査が必要な理由

建物明け渡し請求の前提として、未払賃料の催告や賃貸借契約の解除をするため、賃借人に対し、催告書を内容証明郵便で送り、それに対する応答がないため訴訟を起こし判決を取得したとしても、その建物に賃借人以外の者が居住していると、その賃借人以外の者に対して強制執行を行うことができない場合があります。また、はじめから賃借人が建物に居住しておらず、不法占有者や無断転貸の転借人などが賃借人になりすまして書類を受け取っている場合もあります。

そのような場合、その賃借人以外の占有者を相手に訴訟を行うことから始めないといけなくなり、手続が二度手間になり、明け渡し手続を完了させるための時間と費用がかかってしまいます。

そのため、まず、賃貸物件の現況調査をして、現在の賃貸物件の占有状態を確認する必要があります。

3.現況調査において行ってはいけないこと

現況調査を行う場合は、外観から判断できることしかできませんので次のようなことは行ってはいけません。

(1)無断で家の中に入って確認すること

(2)勝手にポストを空けて中を確認すること

(3)玄関入り口の共用部分に置かれている占有者の動産の処分

など

このようなことをしてしまうと住居侵入・器物損壊といった刑事上の責任を負うことになることのほか、民事上においても損害賠償請求をされる可能性があります。

また、賃貸人に限らず、そのような行為を管理会社の方が行った場合には、その管理会社は法律違反行為をする会社と知らしめられ社会的評価を下げる結果につながります。

どのように現況調査をしたらよいかは、事案によりきりですので、一度専門家に相談した方がよいでしょう。

4.賃借人以外の者が占有していることが判明した場合の対応

現況調査の結果、賃借人以外の全くの他人や、賃借人が代表を務める会社などが占有していることが判明した場合は、その占有者との接触は避けてください。その様な者を建物明け渡し請求の相手方とすべきか、占有移転禁止の仮処分の申立が必要かどうかなどを検討することが必要になるので、一度、専門家に相談した方がよいでしょう。

 

次回は、民法改正による敷金と原状回復請求の明文化について取り上げたいと思います。

その記事はこちら→ http://k-legal-office.com/blog/shikikin-genjyoukaifuku/504

いつもありがとうございます。

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占有移転禁止の仮処分の目的と効果

前回は建物明け渡し請求の管轄について取り上げさせていただきました。

その記事はこちら→http://k-legal-office.com/blog/akewatashi/17

借り主が借りている建物を別の人に住まわせたりするおそれがある場合、交渉や訴訟の手続に入る前に占有移転禁止の仮処分という手続をします。

この記事では占有移転禁止の仮処分ってなに?どういう効果があるの?ということについて解説いたします。

占有移転禁止の仮処分とは、借り主が占有状態を維持するための手続です。

この手続をすることにより、借り主や借り主から占有を承継した占有者に対して強制執行手続により明け渡しを求めることができるようになります。

(解説)

1.占有とは?

占有とは、「自分のために」、「物理的に物を支配する」ことです。

わかりにくいと思いますので、建物の占有についていうなら、自分のために建物を利用すること」とイメージしてもらうとよいかと思います。

2.借り主の占有状態を維持する理由

訴訟手続をする場合に借り主を被告としますが、そのまま勝訴判決が出たとしても、その後に借り主が建物の占有を違う人に移すと、その勝訴判決をもって強制執行手続をすることができなくなってしまうのです。

そのため、借り主が建物の占有を移転することを禁止して、占有状態を維持(固定)しておく必要があります。

3.占有移転禁止の仮処分手続の効果

占有移転禁止の仮処分の決定が出た後、2週間以内に、執行官に占有移転禁止の仮処分の保全執行の申立をします。

保全執行は、建物に、「債務者(借り主のことです。)は、占有を移転することが禁止されている」、「債務者(借り主のことです。)の占有を解いて、執行官が保管中である。ただし、債務者(借り主のことです。)に限り、使用を許した。」などが記載されている公示書という書面を貼り付けます。この書面をはがすと刑罰を受けます。

この保全執行手続が終わった後に、

・保全執行後がされたことを知って新たに建物に占有し始めた者(借り主の占有と関係なく占有を開始した者)

・保全執行後に借り主から占有を承継した者(保全執行がされたことについて知っていたかどうかは関係ありません。)

がいたとしても、判決に基づいてその者に対して、明け渡しの強制執行手続をすることができるようになります。

この場合、判決には、承継執行文の付与が必要になります。

 Q:保全執行がされたことを知らずに建物を占有し始めた人に対しては占有移転禁止の仮処分の効果は及ばないんですか?

A:保全執行がされたことを知らずに建物を占有した場合には、「知りながら占有した者」と推定されますので、効果が及びます。

ただし、あくまでも推定ですので、その占有者から反論がされる可能性があります(執行文付与に対する異議の申し立て、あるいは、執行文付与に対する異議の訴え)。

Q:建物の中にいろんな人が出入りしているようで、占有者を把握することができません。できれば、借り主以外の方にも明け渡してほしいのですが、どうしたらよいですか?

A:占有者を特定することが困難とする特別の事情がある場合には、特定しないまま占有移転禁止の仮処分の申立をすることができます

ただし、仮処分決定が出て、保全執行の段階で占有者を特定できないと執行不能になり、仮処分の効果が生じませんので注意してください。

いつもありがとうございます。

次回は建物明け渡し請求の強制執行手続きの準備について取り上げたいと思います。

その記事はこちら→http://k-legal-office.com/blog/kyouseisikkou/36

この記事を読んで「自分のケースならどうなるか知りたい」という方は、相談予約フォームからお問い合わせください。