前回は借地契約において、地代を滞納された場合について取り上げさせていただきました。
その記事はこちら→https://k-legal-office.com/blog/akewatashi/348
今回は、借り主が無断で賃貸家屋に簡単に取り外せないような物置を増改築した場合、その増改築部分の所有関係はどのようになるのかということについてご説明させていただきたいと思います。
その結論としては、
賃貸家屋に無断で増改築された物置は賃貸人の所有物となります。
(解説)
1.不動産の付合
不動産の付合とは、動産が不動産に付着して、社会経済上、不動産そのものと認められる場合に、不動産の所有者が、その不動産に付着した動産の所有権を取得することをいいます。
ただし、その動産の所有者が権原をもって不動産にその動産を付着させた場合にはその動産の所有者の権利を妨げることはできません。
本件の場合、賃借人に無断で物置を増改築した場合には、権原をもって増改築したわけではないので、その物置は建物そのものと認められ、建物の所有者の所有物となります。
2.強い付合と弱い付合
それでは、賃貸人から許可を取って増改築した場合はどうなるでしょうか?
このように権原に基づいて不動産に動産を付着させた場合には、強い付合と弱い付合という考え方があります。
強い付合とは、「付着した物が不動産の構成部分となり独立性を失っていること」をいい、
弱い付合とは、「付着した物が不動産の一部分となりながら完全には独立性を失っていないこと」といいます。
両者の違いは、権原をもって不動産にその動産を付着させた場合に、その動産が不動産そのものと評価されるかどうかという点にあり、強い付合の場合は、権原をもって付着させたとしても不動産そのものと評価されてしまいます。
そして、建物についての増改築は一般的に強い付合とされています。
したがって、賃貸人から許可をとって建物に増改築を加えた場合でも、その増改築された部分は賃貸人の所有物となります。
3.まとめ
本件の場合における増改築した物置は、賃貸人の増改築についての許可の有無にかかわらず、賃貸人の所有物となります。
次回は、賃借人が支払った修繕費はどうなる?について取り上げたいと思います。
その記事はこちら→https://k-legal-office.com/blog/shikikin-genjyoukaifuku/364
いつもありがとうございます。