シェアハウスの活用と契約上の注意点について

前回は、「入居者の騒音をやめさせないリスク」というテーマでブログを書きました。

その記事はこちら→https://k-legal-office.com/blog/mansyonkanri/812

近年、新しい賃貸の形として、持ち家をシェアハウスとして貸し出している大家さんが増えてきています。そこで、今回はシェアハウスの活用と契約上の注意点について取り上げたいと思います。

1.シェアハウスとは?

一つの建物(一軒家、マンションの一部屋)の中で、各居室に他人同士が住み、リビング、ダイニング、キッチン、トイレ、バス等の設備を共同で利用する賃貸借です。

賃貸に出して有効利用したいと考える広い家を所有する大家さんと、自分の個室はちゃんと用意されていながらも、充実した設備のもと、比較的安い価格で入居したいとする賃借人のニーズが一致した新しい形の賃貸借ということができます。

 

2.シェアハウスの活用で得られる大家さんのメリット

①客付けしやすくなる。

広い家を一軒あるいは一部屋丸ごと貸しだそうとすると、広い家を探している少数の人しかその賃貸物件を見てもらうことができません。

しかし、シェアハウスにして一部屋単位で貸しだそうとすれば、全体の数として多い個人の入居者も、入居先の候補として見てもらうことができるようになります。

また、女性専用などといったコンセプトのあるシェアハウスにして、インテリアなどの共用設備を工夫すれば、容易に付加価値をつけて差別化をすることができます。入居者にとってもメリットになります。

②普通に1世帯に貸し出すより多くの賃料収益が見込める。

ファミリータイプとして貸し出すのではなく、ワンルームの部屋を複数貸し出す形になるので、広さで賃料を決定できるようになることから、各部屋満室になればトータルでは多くの賃料収益が見込めます。

③設備にかける費用が節約できる。

アパートと異なり、各部屋にキッチンやトイレ、バスといった設備が備わっているわけではないので、共用設備にかける費用が1軒分だけで済みます。

 

3.シェアハウスの注意点

シェアハウスは、他人が共同生活をする場なので、中には社会的な常識や、建物内での共通ルールを守らないといったように共同生活になじめないといった方も入居されることもあります。

その結果、他の入居者とトラブルが生じ、問題のない入居者が退去してしまったり、近隣から苦情が来たりということがあります。

そこで、そのような問題のある入居者を退去させやすくするためにも、入居者とは定期借家契約を結んでおくと良いでしょう。最初は試験的に賃貸期間を短くしておいて(例えば、1年とか)、問題の無い入居者であれば再契約の際に期間を長くするといったようにしていくのが良いと思われます。

定期借家契約の特徴についてはこちらを参考にして下さい。

 

次回は、「離婚の話し合いの最中に夫婦の一方が所有する家に住むことはできるのか?」について取り上げたいと思います。

その記事はこちら→https://k-legal-office.com/blog/akewatashi/831

いつもありがとうございます。