定期借家の再契約の予約について

前回は「使用しない不動産は放棄することができるか?」というテーマでブログを書きました。

その記事はこちら→https://k-legal-office.com/blog/akiyamondai/684

今回は、「定期借家契約の終了後に再度定期借家契約を結ぶ」旨を、最初の契約段階で予約することについて取り上げたいと思います。

1.定期借家契約とは

期間の定めのある建物の賃貸借契約をする場合において、公正証書等の書面により、契約の更新ができないことを内容とする賃貸借契約を交わすことです。

2.定期借家契約の特徴

定期借家契約の最大の特徴は、「契約の更新ができないこと」です。

賃貸人の立場から見れば、契約の更新ができず、期間の満了後に確実に入居者を退去させることができるようになるため、将来的に建物の建て替えを予定している場合や単身赴任など一時的に自宅として使用しない場合などに定期借家契約を使うメリットがあります。

また、迷惑行為をする入居者の立ち退きの場面でも役立ちます。

契約が一度終了することになるので、市場の賃料相場と連動させた賃料の見直しをしたい方にも活用できます。

しかし、入居者の立場からすれば、定期借家契約であると期間満了後には必ず立ち退かなければならないので、賃貸期間以上に利用したいと考える入居希望者からは敬遠され、客付けが難しくなり、低い賃料設定で募集をかけざるを得ない場面もあります。

それでは、当初の定期借家契約の段階で「期間満了後に新たに再契約すること」の予約ができれば、入居希望者に長期間の安定的な居住を提供できるようになるのでしょうか?

3.定期借家の再契約の予約

当初の定期借家契約の段階で「期間満了後に新たに再契約すること」を予約することはできます

しかし、予約の中で再契約ができない事項を定め、その事項に該当する場合には再契約しない(予約を完結しない)と定める場合には注意が必要です

具体的には、賃借人において賃貸期間内に近隣迷惑をかけるような行為があった場合とか、賃貸人の単身赴任が終了してその建物を利用する事情が生じた場合といった事項が挙げられます。

そのような事項に該当することがあった場合、近隣迷惑行為の有無や、安定的な居住を受けられないという理由で賃貸人と賃借人の間でトラブルになる可能性があります。

そのため、再契約の予約は、ある程度賃借人との信頼関係ができている場合や、賃貸人側の事情にも理解を示してくれるような賃借人である場合などには有効に活用できると思います。

 

次回は、「Airbnbを利用した空室物件を活用」について取り上げたいと思います。

その記事はこちら→https://k-legal-office.com/blog/fudousankeiei/801

いつもありがとうございます。