直ちに明け渡しを求めたいときは

前回は、貸家に誰が住んでいるか分からないときは?というテーマでブログを書きました。

その記事はこちら→http://k-legal-office.com/blog/karisyobun/599

今回は、建物の入居者が暴力団事務所として利用していることが発覚するなど、直ちに明け渡しを求めたい場合はどうすべきかについて取り上げたいと思います。

一般的に、建物明け渡し訴訟は、着手してから、交渉→訴訟→強制執行という手順で進めるのですが、裁判所の期日の混み具合や、訴状等の送達がスムーズにできるかどうかなどによっても変わるので、どんなに早くても着手から半年くらいはかかってしまうのが一般的です。

しかし、その手続が終わるのを待っていては将来の明け渡しに困難を来す場合もあります。

そのような場合に一刻も早く明け渡しを求めるために用いられる手続として、

建物明渡断行仮処分の申立

が挙げられます。

1.建物明渡断行仮処分とは?

訴訟手続を始める前に、建物明渡断行仮処分の申立をして、現実に債務者(賃借人)から賃貸している建物の明け渡しを受ける手続です。

この場合、建物明渡断行仮処分決定の主文例としては、

「債務者は、債権者に対し、本決定送達の日から○日以内に、別紙物件目録記載の建物を仮に明け渡せ。」

といったものになります。

2.仮処分が発せられるための要件

法律上、争いがある権利関係について債権者に著しい損害又は急迫の危険を避けるためこれを必要とするときに発することができるとされています。

建物明渡断行仮処分の手続において、申立が認められた場合には、賃借人(債務者)は現実に賃貸建物の明け渡しをしなければならないことから、認められた場合の賃借人(債務者)に与える影響が大きいので決定の前に審尋期日(裁判所が賃借人(債務者)を呼び出して、意見を聞く期日)が開かれることが原則となり、決定のための担保(供託金等)も高額になります。

3.類似する手続

一般的に、占有移転禁止の仮処分は賃借人(債務者)に使用を許す内容の決定を求めることが多いですが、賃借人(債務者)によっては、債務者への使用を許さず、債権者(賃貸人)に使用を許す内容の決定を求めることもあります(債権者使用型の占有移転禁止の仮処分)

この手続も、建物明渡断行仮処分と同様に賃借人(債務者)は賃貸建物を現実に明け渡す事になりますので、認められた場合に賃借人(債務者)に与える影響が大きくなるため、同様に審尋期日を開くことが多く、決定のための担保(供託金等)も高額になります。

 

次回は、入居中の外国人が帰国してしまったらというテーマでブログを書きます。

その記事はこちら→http://k-legal-office.com/blog/akewatashi/615

いつもありがとうございます。

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