マンション管理費の滞納が始まったら

前回は、連帯保証人である元妻に滞納賃料を請求できる?ということについて取り上げさせていただきました。

その記事はこちら→https://k-legal-office.com/blog/yachintainou/330

大家さんの中には、マンションの管理組合の理事長をなされている方もいらっしゃいます。そういった方からマンション管理費の滞納問題についての問い合わせがされることがありますので、マンション管理費について一度ご説明させていただきたいと思います。

1.マンション管理費の種類について

一般的にマンションの管理にかかる費用としては次の4種類が主な費用です。

①管理費(共用部分、共用施設及び施設等の維持管理のための費用)

②修繕積立金(大修繕、環境・機能の増進のための積み立て。管理組合の集会で決定)

③立て替えた専有部分の水道料金、光熱費(管理組合が立て替えて支払う旨の規約がある場合)

④駐車場代(駐車場代を徴収する規約がある場合)

 

2.管理費等を滞納した場合の対応

1で挙げた管理費等は、先取特権(法定担保物権・一般の債権より優先して弁済を受けられる権利)を有していますから、区分所有建物の所有者がその建物を賃貸し、賃借人から賃料を受け取っているような場合は、訴訟手続をすることなく、その賃料について差押手続をすることができます。

区分所有建物を賃貸に出しているわけではなく、区分所有者が居住して利用している場合には、区分所有者に対して、内容証明郵便等で催告をして、それでも応じなければ、訴訟や支払督促等の法的手段をとっていくことになります。この点は、賃貸借契約における滞納家賃を入居者や連帯保証人に請求する場合と同様です。

そして、その手続の中でなされた判決、和解、支払督促等を債務名義として、区分所有者の財産について強制執行手続を進めることになります。

 

3.マンション管理費の時効は何年?

民法169条の定期給付債権となり、毎月の支払期から5年で時効になります。

滞納家賃と同様にマンション管理費についても、各月ごとに起算点が異なりますので、時効期間満了日は別々になります。

また、マンション管理費の時効を中断することについても、滞納賃料の時効の中断の場合と同様です。

(参考)滞納賃料の時効について→https://k-legal-office.com/blog/yachintainou/247

 

次回は、マンションの一室の入居者が近隣に迷惑をかける場合について取り上げたいと思います。

その記事はこちら→https://k-legal-office.com/blog/mansyonkanrihi/340

 

いつもありがとうございます。