離婚の話し合いの最中に夫婦の一方が所有する家に住むことはできるのか?

前回は、「シェアハウスの活用と契約上の注意点」というテーマでブログを書きました。

その記事はこちら→http://k-legal-office.com/blog/fudousankeiei/821

今回は、夫婦のうちの一方が所有する建物に配偶者が同居する場合に、その夫婦が離婚することになり、それに向けた話し合いが進められている場合に、家の所有者でない方の配偶者は出ていかなければならないのかということについて取り上げます。

〈事例〉

私(妻)は、夫が所有する家に同居していましたが、このたび離婚することになり、離婚の話し合いの最中において、夫が私に直ちに家から立ち退くよう求めています。

 

〈結論〉

過去の判例においては、離婚が成立するなど婚姻関係が解消されるまでは、同居して家を利用する権利があるので、それまでは立ち退く義務はないと判断されています。

 

〈解説〉

1.事例において、夫が所有する家に妻が同居することは使用貸借か?

使用貸借とは、貸主から無償で物を借りることをいいます。

物の返還時期が定められていれば、借主はその時期に返還しなければなりません。

返還時期が定められていなくとも使用目的が定められていれば、使用目的に従った使用及び収益が終わったときに返還しなければならず、使用目的も定められていなければ、いつでも貸し主の返還請求に応じなければなりません。

それでは、上記事例のように、夫が所有する家に妻が同居することは使用貸借になるのでしょうか。

この妻が夫の所有する家を利用する点については、特に特別の事情もない限り使用貸借と考えるのではなく、婚姻から生じる権利と考えられています。

夫婦は同居義務があるとともに相互に扶助する義務があるので、妻は夫と同居する家を利用する権利があり、夫が所有する家を使用することができます。

 

2.夫の所有する家からはいつ立ち退かなければならないか?

夫が所有する家を利用する権利が婚姻から生じる権利であるということから、婚姻関係が解消されたときには、その利用する権利が当然に消滅すると考えられており、婚姻関係が解消されたときには夫の所有する家から立ち退かなければなりません。

そのため、離婚に向けた協議中であったり、調停手続き中など、正式に離婚が決まっていない状態ではまだ家を利用する権利は消滅していないので、本事例の場合は直ちに立ち退く必要はなく、正式に離婚が決まったときに立ち退くことになります。

 

次回は、「離婚の話し合いの最中に配偶者の親族から退去を求められたら」のテーマでブログを書きたいと思います。

その記事はこちら→http://k-legal-office.com/blog/akewatashi/835

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