競売物件を購入してみよう!

前回は、任意売却についてご説明させていただきました。

その記事はこちら→https://k-legal-office.com/blog/fudousankeiei/567

今回は不動産を安く購入する方法である任意売却に引き続いて、不動産競売による競落という方法について取り上げます。

1.不動産競売とは?

一般的に、不動産を購入するときには銀行などの金融機関から融資を受けることが多いです。

融資を受けた金銭は不動産の売却代金や諸費用の支払に充て、買主は不動産を取得した後、不動産に融資の担保(借金のカタ)のために抵当権を設定します。住宅購入目的ではなく、事業のために融資を受けるために所有する自宅に(根)抵当権を設定する場合もあります。

そして、融資を受けた者は、その金融機関との融資額について契約どおりに返済をしていくわけですが、この返済が滞ったり、あるいは返済できなくなる場合があります。

その場合に、金融機関が、その不動産に設定している抵当権を実行することを担保不動産競売といいます。

抵当権を実行する(地方裁判所に担保不動産競売の申立をする)ことで、競売手続が開始され、手続の中で買受人を募り、入札等により競売物件を競落させ、支払われた競落代金は抵当権者である金融機関の残債権に優先的に充当されます。

不動産競売事件には、お金の貸し借りについて債務者所有の不動産に担保権を設定してはいないものの、債務者に支払を求める内容の判決や和解調書に基づき、債務者が所有する不動産を競売にかける強制競売の申立というケースもあります。

2.なぜ、競売物件は安く購入できるのか?

(1)そもそも不動産の価格が市場価格の6割程度

競売物件は、競売市場修正などの計算により、評価額が市場価格の6割程度の価格になることが多いです。

そして、一般に競売手続は、一定期間に買受希望価格を記載した入札書を提出させて、その中で最高価格申出人となった方について売却許可決定をして、残代金を納付させるという期間入札の方法をとっています。

しかし、その期間入札において一つも入札がなければ、特別売却期間が始まります。この場合は早い者勝ちとなり買受可能価額(売却基準価格の8割)で入札することができます。

その特別売却期間を過ぎても入札がなければ、売却代金の価額の再評価がされて、さらに競売物件の評価額は値下がりします。

(2)仲介手数料がかからない

不動産競売事件で落札した場合は、不動産会社から不動産を購入したわけではないので、不動産会社に不動産の媒介(または代理)にかかる仲介手数料がかかりません。

(3)書記官が所有権移転登記をする

落札した後には、裁判所書記官が不動産の所有権移転の登記嘱託を行ってくれるので、司法書士などの専門家に対して報酬を支払うことがありません(融資を受けて購入する場合は、抵当権設定について報酬が発生する場合もあります)。

3.安さだけで購入しないように注意が必要

以上のように、不動産競売であると不動産を安く取得することができますが、占有者との関係や不動産に瑕疵があった場合の負担などリスクも多く存在するので、購入する場合には競売物件の情報をしっかり検討してから購入するようにしましょう。特に、売れない物件はそれなりの理由があったりするので、購入する場合は要注意ですね。

次回は、火災保険の長期契約が廃止に!について取り上げます。

その記事はこちら→ https://k-legal-office.com/blog/fudousankeiei/576

 

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