投稿者「katagiri」のアーカイブ

解約の申し入れを理由とした建物明け渡し請求が認められました。

前回は、仮処分命令の申立の際に納める供託金の払い戻しについてブログを書きました。

その記事はこちら→https://k-legal-office.com/blog/karisyobun/629

建物の老朽化に伴い建物の解体を考えているため、入居者の立ち退きを考えているというオーナー様から相談があり、建物明け渡し訴訟を提起していました。

その賃貸借契約は、定めていた賃貸借期間が満了し、その後入居者の方が、更新契約に応じていただけなかったことから同じ内容で賃貸借契約が法定更新され、期間の定めのない賃貸借となっていました。

入居者の方は家賃滞納はなかったため、一般の賃貸借の解除をすることができなかったため、賃貸人がその建物を利用したいとする正当事由(老朽化に伴い建物の解体の必要性)があることを根拠に、事前に解約の申し入れをして6か月以上経過した上で訴訟を提起しました。

解約の申し入れについてはこちら→https://k-legal-office.com/blog/akewatashi/152

この事案は、賃貸人がその建物を利用したいとする事情(正当事由)と賃借人がその建物を利用したいとする事情(正当事由)の比較と、立ち退き料、信頼関係の破壊の有無などがポイントとなった事案でした。

私は賃貸人の代理人として出頭して、賃貸人の正当事由(建物老朽化に伴い解体を考えていること、現状のままだと風災などにより看板、網戸などが外れ、近隣あるいは通行人に危害を加えるおそれがあること)があることを主張しました。

このような事案は、一般的には賃貸人側が不利になることが多く、さらに今回の賃借人は居住用だけではなく事業としても建物を利用していたということもあり、判断がどうなるかと思っていましたが、過去に風災でニュースになったこともあるエリアだったりしたことも影響したのか、正当事由があり、有効に賃貸借契約が終了していることが認められ、勝訴判決を得ることができました。また無事に判決も確定しました。

問題はこの後に入居者の方がスムーズに退去してくれるかどうかが問題なのですが・・・

やはり、事業目的で建物の賃貸借契約をするなら、その建物の築年数によっては定期借家契約をしておいた方が無難だと感じました。

 

次回は、東京司法書士会中野支部で建物明け渡し請求の研修講師をしてきたことについてのレポートについて書きたいと思います。

その記事はこちら→https://k-legal-office.com/blog/seminar/646

いつもありがとうございます。

供託金の払い戻しに行ってきました。

前回は暴力団関係者との賃貸借契約を避けるために必要なことというテーマでブログを書きました。

その記事はこちら→https://k-legal-office.com/blog/akewatashi/622

先日、仮処分命令のために供託した供託金の払い戻し手続のために東京法務局に行ってきました。

以前は、代理人名義の口座に振り込む方法では払い戻しを受けられなかったので、本人名義の口座に振り込んでもらうか、小切手で受け取っていました。

本人名義の口座に振り込む方法はともかく、小切手で受け取る方法を選ぶと40分から50分くらい待たされますし、日本銀行の代理店窓口で呈示して返金を受けようとすると手数料もかかってしまいますので、使い勝手が良くありませんでした。

それで、今回も本人名義の口座に振り込む方法をとろうと考えていたのですが、調べてみると供託規則が改正されていて平成26年6月2日から代理人名義で供託金の払い渡しを受けられることになっていました!

ただ、本人の意思確認のために、代理人名義で供託金の払い渡しを受ける場合には、払い渡しの委任状に印鑑証明書の添付が必要となっていました

もっとも、私は供託をした際に代理確認請求をしていて、供託時に呈示した供託委任状に供託官から代理権限証明の確認済みの印判をもらっていましたので、払い渡し時にはその確認済みの印判のある供託委任状を添付して印鑑証明書も添付しませんでした。

そもそもこれまでは、依頼者が法務局に印鑑を届けていない個人の場合は、供託金の払い渡しの際に裁判所が発行してくれた供託原因消滅証明書を呈示すれば印鑑証明書を添付しなくても良かったので、供託時に代理権限証明の確認済みをするメリットがあまりなかったのですが、今後はご依頼をいただいた時点で供託時の供託委任状と払渡時の払渡委任状にそれぞれ同じ印鑑で押捺してもらって、供託時に供託委任状に代理権限証明の確認請求する実益が出てきそうですね。

 

次回は、解約の申し入れを理由とした建物明け渡し請求が認められた件についてブログを書きます。参考にしてみて下さい。

その記事はこちら→https://k-legal-office.com/blog/akewatashi/635

いつもありがとうございます。

暴力団関係者との賃貸借契約を避けるために必要なこと

前回は、入居中の外国人が帰国してしまったらというテーマでブログを書きました。

その記事はこちら→https://k-legal-office.com/blog/akewatashi/615

今回は、暴力団関係者との賃貸借契約を避けるために必要なことというテーマでブログを書きたいと思います。

賃貸物件の一室を暴力団関係者が利用していることで、他の関係者が出入りするようになり、その他の部屋の借り主に割り当てられた駐車場に常習的に違法駐車したり、近隣住民へ暴言・嫌がらせをするといったことがあります。

その結果、その他の部屋の住民は退去するようになり、収益力が低下し、さらに建物自体の資産価値も減少するおそれがあります。

暴力団関係者が賃貸借契約を結ぼうとするときは、他の人間を介して賃借人としたり、使用目的を隠したままにすることがありますので、賃貸借契約締結時にはその建物の利用者が暴力団関係者なのかどうか分からないことが多いです。

そこで、できる限り暴力団関係者との契約を避け、または契約後に明け渡しを有利に進めるためにも、そのような者らしい方との賃貸借契約締結時には、次の点を確認する必要があります。

1.本人確認

賃貸借契約をして入居する賃貸人と、保証契約をする保証人の本人確認をしてください。具体的にはその者らが契約書に押捺した印鑑の印鑑証明書、運転免許証の写しの提出を求めましょう

ちゃんと家賃を払い続けることができるか資力の確認も兼ねて、給与明細書や源泉徴収票などの提出を求めてもいいと思います。

2.賃貸借契約書の中に暴力団排除条項を設けること

契約者が暴力団関係者である場合には賃貸借契約を締結しないこと、あるいは、契約後に暴力団関係者であることが判明した場合に契約を解除して明け渡しを求めることができるように、賃貸借契約書の中に、暴力団排除条項を設けておくと良いでしょう。

参考として、国土交通省が賃貸住宅標準契約書の中に掲げている暴力団排除条項のサンプルとリンクを下に挙げておきます。

このような条項を定めた上で賃貸借契約を締結し、その条項違反の事実が判明すれば信頼関係が破壊されているという事情となりますので、賃貸借契約の解除が有効と認められやすくなります。

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(反社会的勢力の排除)

第7条 甲及び乙は、それぞれ相手方に対し、次の各号の事項を確約する。

一 自らが、暴力団、暴力団関係企業、総会屋若しくはこれらに準ずる者又はその構成員(以下総称して「反社会的勢力」という。)ではないこと。

二 自らの役員(業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者をいう)が反社会的勢力ではないこと。

三 反社会的勢力に自己の名義を利用させ、この契約を締結するものでないこと。

四 自ら又は第三者を利用して、次の行為をしないこと。

ア 相手方に対する脅迫的な言動又は暴力を用いる行為

イ 偽計又は威力を用いて相手方の業務を妨害し、又は信用を毀損する行為

http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000019.html

 

次回は、供託金の払い戻しの際の代理人名義の振込についてブログを書きます。

その記事はこちら→https://k-legal-office.com/blog/karisyobun/629

いつもありがとうございます。

入居中の外国人が帰国してしまったら

前回は、直ちに明け渡しを求めたいときはというテーマでブログを書きました。

その記事はこちら→https://k-legal-office.com/blog/karisyobun/606

今回は、外国人に借家を貸していたところ、契約の途中で鍵を返すこともなく、自分の国に帰ってしまった場合にどのようにしたらよいかについて取り上げたいと思います。

当事務所によく相談のあるケースとしては、

「外国人を入居させていたのですが、突然家賃を滞納するようになり、現在は保証会社から立て替えをしてもらっています。保証会社の担当者の方が様子を見に行っていただいたところ、荷物も全部持っていって部屋は空っぽにしているのが見えたとの事でした。電気もガスも止められているし、もう既に引き払っていると思うとのことでした。ただし、鍵を返してもらっていないので、賃貸借契約をこのままにしておいていいのかどうか分かりません。」

といったものです。

こういった場合、一般的にはその入居者の外国人から鍵の返還を受けていないので、明示ないし黙示の賃貸借契約の終了があったとは言いにくいと考えられます。

そこで、その入居者がどこに行ったかを調査するのですが、調査した結果、

転居先が分かれば、転居先を住所地として建物明け渡し請求の訴訟をすることを検討します。

転居先が分からなければ、裁判書類の公示送達をすることを前提として建物明け渡し請求の訴訟をすることを検討します。

参考→https://k-legal-office.com/blog/akewatashi/310

問題は、どのように調査したら良いかと、その調査の結果、転居先が母国であることが判明した場合です。

調査はまず住民票を取得して転居の届出をしているかどうかを調査することから始めます

平成24年7月8日までは、外国人登録原票記載事項証明書というものが発行されていましたが、現在は住民票の写しによって証明されます。

そして、その住民票の住所の異動を確認しますが、これが外国であると国名までしか書いていないので、出国先の住所を調べることはできません。

そのため、出国先の住所まで調べる必要があるのであれば、法務省入国管理局が管理している出入国記録の照会をして調査することになりますが、その照会は裁判所からするため、別途申立等の手続が必要になります。

さらに、その調査の結果、出国先の住所が分かれば、そこを住所地として建物明け渡し訴訟を起こしますが、外国の住所地宛てに裁判書類の送達手続をするのはとても時間がかかり、その方法も容易ではないので一度専門家に相談して進める方が良いでしょう。

 

次回は暴力団関係者との賃貸借契約を避けるために必要なことというテーマでブログを書きます。

その記事→https://k-legal-office.com/blog/akewatashi/622

いつもありがとうございます。

直ちに明け渡しを求めたいときは

前回は、貸家に誰が住んでいるか分からないときは?というテーマでブログを書きました。

その記事はこちら→https://k-legal-office.com/blog/karisyobun/599

今回は、建物の入居者が暴力団事務所として利用していることが発覚するなど、直ちに明け渡しを求めたい場合はどうすべきかについて取り上げたいと思います。

一般的に、建物明け渡し訴訟は、着手してから、交渉→訴訟→強制執行という手順で進めるのですが、裁判所の期日の混み具合や、訴状等の送達がスムーズにできるかどうかなどによっても変わるので、どんなに早くても着手から半年くらいはかかってしまうのが一般的です。

しかし、その手続が終わるのを待っていては将来の明け渡しに困難を来す場合もあります。

そのような場合に一刻も早く明け渡しを求めるために用いられる手続として、

建物明渡断行仮処分の申立

が挙げられます。

1.建物明渡断行仮処分とは?

訴訟手続を始める前に、建物明渡断行仮処分の申立をして、現実に債務者(賃借人)から賃貸している建物の明け渡しを受ける手続です。

この場合、建物明渡断行仮処分決定の主文例としては、

「債務者は、債権者に対し、本決定送達の日から○日以内に、別紙物件目録記載の建物を仮に明け渡せ。」

といったものになります。

2.仮処分が発せられるための要件

法律上、争いがある権利関係について債権者に著しい損害又は急迫の危険を避けるためこれを必要とするときに発することができるとされています。

建物明渡断行仮処分の手続において、申立が認められた場合には、賃借人(債務者)は現実に賃貸建物の明け渡しをしなければならないことから、認められた場合の賃借人(債務者)に与える影響が大きいので決定の前に審尋期日(裁判所が賃借人(債務者)を呼び出して、意見を聞く期日)が開かれることが原則となり、決定のための担保(供託金等)も高額になります。

3.類似する手続

一般的に、占有移転禁止の仮処分は賃借人(債務者)に使用を許す内容の決定を求めることが多いですが、賃借人(債務者)によっては、債務者への使用を許さず、債権者(賃貸人)に使用を許す内容の決定を求めることもあります(債権者使用型の占有移転禁止の仮処分)

この手続も、建物明渡断行仮処分と同様に賃借人(債務者)は賃貸建物を現実に明け渡す事になりますので、認められた場合に賃借人(債務者)に与える影響が大きくなるため、同様に審尋期日を開くことが多く、決定のための担保(供託金等)も高額になります。

 

次回は、入居中の外国人が帰国してしまったらというテーマでブログを書きます。

その記事はこちら→https://k-legal-office.com/blog/akewatashi/615

いつもありがとうございます。

貸家に誰が住んでいるか分からないときは?

前回は、保証会社からの滞納家賃の立て替えがあっても解除できる?というテーマでブログを書きました。

その記事はこちら→https://k-legal-office.com/blog/yachintainou/590

今回は、賃貸している建物に、賃借人(契約者)あるいはその家族ではない知らない者が入居しているような場合にどのように対応したらよいかについて取り上げてみたいと思います。

1.賃借人以外の者が使用していることを知るきっかけ

賃貸人が賃貸している建物や部屋に、賃借人以外の者が使用しているということを知るきっかけとしては、

・近隣の住民から、賃借人以外の者が居住して夜中に騒いでいるから何とかしてほしいと苦情を受けた

・部屋やポストの表札が賃借人とは別人の氏名になっている

・会社として使用している

などといったことが挙げられます。

2.賃借人以外の者が使用していることについての問題点

賃借人以外の者が使用している場面としては、

無断転貸

一方的な不法占有

が挙げられます。

一般的に賃貸借契約では又貸し(転貸借)は禁止されており、賃借人以外の者が入居あるいは使用することについて、賃貸人が承諾していない限り、そのような者が入居あるいは使用することはできません。

これは、賃貸借契約というものが、賃貸人が、その賃借人の属人的要素(職業、年齢等)を加味して契約するものであり、両者の信頼関係の上で成り立っているものであるからです。

無断転貸は、信頼関係を破壊する事情としては大きく、賃貸借契約を解除する事由の一つとなっています。

参考→https://k-legal-office.com/blog/akewatashi/146

また、無断転貸ではなく、一方的に勝手に他人の不動産を占有すること(不法占有)についても同様に許されません。

無断転貸であっても、一方的な不法占有であっても、賃貸人側からすれば、どういう者か分からない者が入居していることは管理が行き届かないことになってしまい、不動産自体の破損、近隣住民へ迷惑などといった問題が生じてしまうことが多いです。

3.賃借人以外の者の占有を排除するには

賃借人以外の者の占有を排除するには、その占有者に対して建物明け渡し請求を行っていくことになるのですが、そもそもその者がどういう人でどういう名前なのかも分からないような場合は、建物明け渡し請求の前に、債務者(占有者)を特定しない占有移転禁止の仮処分の申立をしておいたほうがよいでしょう。

この申立をする場合は、債務者(占有者)を特定することが困難とする特別の事情が必要になります。

この仮処分の執行手続により、実際に占有している者を特定し、その上で建物明け渡し請求をすることになりますが、その執行手続で特定できない場合は執行不能となってしまいますので注意が必要になります。

 

次回は、「直ちに明け渡しを求めたいときは」について取り上げます。

その記事はこちら→https://k-legal-office.com/blog/karisyobun/606

いつもありがとうございます。

保証会社から滞納家賃の立て替えがあっても解除できる?

前回は、相続対策としてアパート建設は有効?というテーマでブログを書きました。

その記事はこちら→https://k-legal-office.com/blog/fudousankeiei/582

賃貸借契約時において、賃借人の債務について保証会社が賃借人と保証契約を結んでいるなら、賃借人が家賃を滞納した場合には、保証人が賃貸人に対して賃借人に代わって家賃債務を支払ってくれます。この支払のことを代位弁済といいます。

代位弁済後、保証会社は、賃貸人に支払った保証債務を賃借人に対して請求していきます。

そして、この場合に、賃貸人は賃借人に賃料の不払いがあったとして、賃貸借契約を解除することはできるのでしょうか?

(結論)

判例においては、解除することを認めています。

(解説)

保証会社から賃貸人に対して、家賃債務の代位弁済がなされているので、その代位弁済がされた限度では、賃貸人は賃借人に対しては、滞納家賃というものが存在しないことになります。

そうすると、契約書などで定めている、「賃料等の支払を2か月以上滞納したら賃貸借契約を解除する。」という条項に引っかからなくなるようにも思えます。

しかし、この点について、判例は、賃借人の債務不履行(家賃滞納の事実)について、保証会社による代位弁済の事実を考慮することは相当ではないとしました。

あくまでも、解除事由の発生は、賃借人の賃料不払いの事実のみをもって考えるべきであり、保証会社による代位弁済をもってその解除事由の発生に影響を与えないと判断しました(大阪高裁H25.11.22)。この判断は、上訴されましたが、最高裁でもこの結論は覆りませんでした。

以前からこの点については、滞納家賃がない以上、債務不履行がないとして、解除を認めないとする下級審判例も出ていたので、今後は統一的な取り扱いがなされていくのではないかと考えられます。

ただし、結局は家賃不払いの事実に加え、そのほかの事情を総合的に判断して、全体として信頼関係が破壊されているかどうかで解除事由が発生したかどうかを考えることになるのでしょう。

 

明日は、東京ビッグサイトで全国賃貸住宅新聞社様主催の賃貸住宅フェア2015に参加してきます。

Airbnbなど新しい不動産の運用方法のセミナーなどいろいろ聞いてこようと思います。

次回は、貸家に誰が住んでいるか分からないときは?について書きます。

その記事はこちら→https://k-legal-office.com/blog/karisyobun/599

 

いつもありがとうございます。

競売物件を購入してみよう!

前回は、任意売却についてご説明させていただきました。

その記事はこちら→https://k-legal-office.com/blog/fudousankeiei/567

今回は不動産を安く購入する方法である任意売却に引き続いて、不動産競売による競落という方法について取り上げます。

1.不動産競売とは?

一般的に、不動産を購入するときには銀行などの金融機関から融資を受けることが多いです。

融資を受けた金銭は不動産の売却代金や諸費用の支払に充て、買主は不動産を取得した後、不動産に融資の担保(借金のカタ)のために抵当権を設定します。住宅購入目的ではなく、事業のために融資を受けるために所有する自宅に(根)抵当権を設定する場合もあります。

そして、融資を受けた者は、その金融機関との融資額について契約どおりに返済をしていくわけですが、この返済が滞ったり、あるいは返済できなくなる場合があります。

その場合に、金融機関が、その不動産に設定している抵当権を実行することを担保不動産競売といいます。

抵当権を実行する(地方裁判所に担保不動産競売の申立をする)ことで、競売手続が開始され、手続の中で買受人を募り、入札等により競売物件を競落させ、支払われた競落代金は抵当権者である金融機関の残債権に優先的に充当されます。

不動産競売事件には、お金の貸し借りについて債務者所有の不動産に担保権を設定してはいないものの、債務者に支払を求める内容の判決や和解調書に基づき、債務者が所有する不動産を競売にかける強制競売の申立というケースもあります。

2.なぜ、競売物件は安く購入できるのか?

(1)そもそも不動産の価格が市場価格の6割程度

競売物件は、競売市場修正などの計算により、評価額が市場価格の6割程度の価格になることが多いです。

そして、一般に競売手続は、一定期間に買受希望価格を記載した入札書を提出させて、その中で最高価格申出人となった方について売却許可決定をして、残代金を納付させるという期間入札の方法をとっています。

しかし、その期間入札において一つも入札がなければ、特別売却期間が始まります。この場合は早い者勝ちとなり買受可能価額(売却基準価格の8割)で入札することができます。

その特別売却期間を過ぎても入札がなければ、売却代金の価額の再評価がされて、さらに競売物件の評価額は値下がりします。

(2)仲介手数料がかからない

不動産競売事件で落札した場合は、不動産会社から不動産を購入したわけではないので、不動産会社に不動産の媒介(または代理)にかかる仲介手数料がかかりません。

(3)書記官が所有権移転登記をする

落札した後には、裁判所書記官が不動産の所有権移転の登記嘱託を行ってくれるので、司法書士などの専門家に対して報酬を支払うことがありません(融資を受けて購入する場合は、抵当権設定について報酬が発生する場合もあります)。

3.安さだけで購入しないように注意が必要

以上のように、不動産競売であると不動産を安く取得することができますが、占有者との関係や不動産に瑕疵があった場合の負担などリスクも多く存在するので、購入する場合には競売物件の情報をしっかり検討してから購入するようにしましょう。特に、売れない物件はそれなりの理由があったりするので、購入する場合は要注意ですね。

次回は、火災保険の長期契約が廃止に!について取り上げます。

その記事はこちら→ https://k-legal-office.com/blog/fudousankeiei/576

 

いつもありがとうございます。

任意売却とは?

前回は、賃貸経営におけるマイナンバーの利用場面についてご説明させていただきました。

その記事はこちら→https://k-legal-office.com/blog/fudousankeiei/552

賃貸経営において利回りを高くするため方法の一つとして、不動産を市場価格より安く購入するということが挙げられます。そして、不動産を安く購入する方法としては、任意売却(任売)と不動産競売(競売)という方法があります。

今回は、任意売却(任売)についてご説明させていただきます。

1.任意売却(任売)とは?

住宅ローンを組んで購入した不動産の所有者や、銀行などの金融機関から事業のために融資を受けた会社経営者が借入金の返済ができなくなり、ローン会社・銀行などから所有する不動産に設定した抵当権を実行されそうな場合に行われます。

一般的には、所有者が破産手続あるいは債務整理手続中で、弁護士が所有者の代理人となり、不動産会社との間で媒介契約を結んで、売却に出されていることが多いです。

2.任意売却のメリット

抵当権者である金融機関(銀行・ローン会社)からすれば、競売手続に要する時間と費用がかからず、かつ競売手続よりも高く売却できることから多く債権回収を図ることができるというメリットがあります。

所有者にとっても、競売に要する費用負担から免れるし、競売手続よりは高額で売却できるので、多く返済に充てられますので、残債務の支払について計画を練りやすくなります。

購入者においては、市場価格よりは安く購入できることのほか、抵当権者も所有者も売却の意向があるので、不動産の内部を確認することができる場合が多いです。

さらには、物件内の占有者を排除しなければならないとか、残置動産をどのように処分するかといった問題もほとんどありません。

そのほか、抵当権を実行され不動産競売事件が始まってしまうと、不動産の登記事項に差押の登記が入ります。それが一度入ってしまうとその物件を傷物として気にして購入を控える方もいらっしゃいます。任意売却の場合は差押の登記は入りませんのでその点を気にすることがありません。

このように任意売却ならではのメリットも多くありますが、それでも、不動産競売で売りに出されている競売物件の方が価格は安い傾向にあるので、更に利回りを高めたいという方は不動産競売にも注目した方が良いと思います。

次回は、不動産競売物件の購入について取り上げてみたいと思います。

その記事はこちら→https://k-legal-office.com/blog/fudousankeiei/572

 

いつもありがとうございます。

保証会社との間の契約条項はよく読みましょう。

前回は、借家の立ち退き料の相場についてご説明させていただきました。

その記事はこちら→https://k-legal-office.com/blog/akewatashi/537

賃貸借契約を締結する際、賃借人が親族などの連帯保証人をつけられない場合に、賃借人の委託により家賃債務保証会社に保証人になってもらうことがあります。

契約関係を整理すると、賃貸人と保証会社の関係は保証契約となり、入居者と保証会社の関係は保証委託契約となります。

これらの契約により、保証会社は、賃借人が家賃を滞納した場合、賃借人に代わって賃貸人に滞納家賃を支払い、賃借人に立て替えた家賃分を求償することになります。

そして、保証会社と賃借人の間の保証委託契約書の契約条項について、

「賃借人が家賃を滞納した場合には、賃借人は保証会社が賃貸家屋内に立ち入り、適当な処置をすることができることを事前に承諾する。」

といった内容の条項がある場合には要注意です!

1.賃借家屋への立ち入り及びその使用を排除する内容の事前承諾は有効か?

こういった内容の条項を自力救済条項と言います。

この自力救済条項を根拠に、賃借人が家賃を滞納した場合に、賃借人が外出中に建物内に侵入してドアの鍵を交換したり、建物の内側の扉に「○月○日までに未払賃料を支払わない場合には賃貸借契約を解除する。」旨を記載した書面を貼り付けるといった行為をしてしまうと非常に問題があります。

賃借人も合意の上でそのような内容の契約を締結しているから問題ないのでは?とも言えそうですが、裁判所の判例は、このような手段による権利の実現(建物明け渡し・家賃回収)は、法的手続によったのでは権利の実現が不可能又は著しく困難であると認められる緊急やむを得ない特別の事情がある場合を除くほかは、原則として許されないとしており、そのような自力救済条項を公序良俗に反するので無効としています。

2.自力救済条項による民事上・刑事上の責任

この問題は民事上無効というだけだけでなく、不法行為(プライバシー侵害・器物損壊)による損害賠償といった民事上の責任や、住居侵入・器物損壊という犯罪を構成する可能性もあり、その場合には刑事上の責任も追求されかねません。

実際に、賃貸人、管理会社、保証会社などの自力救済行為をした者に民事上の責任を認めている裁判例もありますので注意が必要です。

次回は賃貸経営におけるマイナンバーについて取り上げたいと思います。

その記事はこちら→https://k-legal-office.com/blog/fudousankeiei/552

 

いつもありがとうございます。